弁理士選定のポイント
いな音特許事務所が解説する「弁理士選定のポイント」

 高額商品を購入する場合、モノも見ずに知人の推薦や宣伝広告だけで決める人はまずいないと思います。しかし、弁理士選定については、取引先の紹介やタウンページの広告だけで判断して、いきなり仕事を頼んでしまう方がおられるようです。
 おそらく何を基準にするべきか分からないことが原因だと思います。ここでは、中小・ベンチャー、特に特許等に関する知識ノウハウを持たない企業が弁理士を選定する場合のポイントについて説明します。

1.自社の技術分野を担当できるか
  弁理士は、工業所有権法に関する試験に合格していますので、これらの知識はまず問題ないレベルにあると思います。しかし、各弁理士で専門技術分野が異なりますので、すべての案件にうまく対応できるとは限りません。あまりにも分野がかけ離れている場合、発明を十分理解してもらえなかったり、最悪の場合は、取得できるはずの特許が取得できなかったりする事態が起こり得ます。
  例えば、「弁理士から『チェーンは知っているが、スプロケットとはどんなものか説明にきてほしい』と呼び出された」という話を聞いたことがあります(ご存知でない方に説明しますと、スプロケットとはチェーンをかける歯付き車で、目に付くところでは自転車に使われています)。機械系の技術者にはまったく信じられない話ですが、専門分野が異なると、こんなことが起こる可能性もあります。
  したがって、いきなり仕事を頼むのではなく、まずは自社技術の出願を担当できる能力を備えた弁理士か否かを見極めることが大事です。

  弁理士の専門分野は、本人から過去の経歴、実績等を直接インタビューするのが一番だと思います。いちいち会うのは面倒だと思うかも知れませんが、高いお金を払って仕事を頼むのですから、手間を惜しんではいけません。後に申し上げますが、親身に対応してくれるかを検討するうえでも事前に会うことは、必要不可欠です。
  
2.企業での知財業務の経験があるか
  
上記1の条件に合う弁理士なら、自社技術の権利取得や侵害問題に概ね対応してくれます。
  しかし、権利取得等だけに止まらず、知的財産に関する運営についてもいろいろ相談したいことが出てくるものです。例えば、利益を生み出すための知的財産戦略の構築、共同研究開発やライセンスへの対応や社内発明者への対応等です。企業として知財業務に取り組む以上、これらは無視できません。
  大企業の知的財産部門では、こういう業務に日常的に取り組んでいますので、そういった職場出身の弁理士を使えば、より的確なアドバイスが得られると思います。

3.親身に対応してくれるか
  
上記1,2の条件に合う弁理でも、親身に対応してくれなければ話になりません。
  例えば、特許に関する知識ノウハウが十分でない企業にとっては、強い権利を取得するために、発明内容について数多く質問し、議論を戦わせて、特許面からのブラッシュアップを図ってくれるような弁理士が必要です。依頼企業側が「こんな発明です」と説明したものについて、そのまま出願するようではまずいと思います。もちろん、質問と言っても、上記のように「スプロケットって、どんなもの」では困りものですが・・・

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